「ネイティブアプリってどんなアプリだろう」「Webアプリやハイブリットアプリとどのように違うのだろう」と気になっていませんか。

ネイティブアプリとは、アプリケーションストアからデバイスにインストールして使うアプリのことです。

OSで動作するため、カメラやマイク、GPSなどデバイスの機能を活用できます。

本記事ではネイティブアプリの概要やメリット・デメリット、ほかのアプリとの違いについて詳しく解説します。

目次

  1. ネイティブアプリとは
  2. ネイティブアプリのメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  3. アプリの種類別の違い
    1. ネイティブアプリとWebアプリの違い
    2. ネイティブアプリとハイブリッドアプリの違い
    3. ネイティブアプリとPWAの違い
  4. ネイティブアプリの開発費用・期間
  5. ネイティブアプリの主要な開発言語
    1. スマホアプリにおすすめな開発言語
    2. PCアプリにおすすめな開発言語
  6. まとめ

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ネイティブアプリとは

「ネイティブアプリ」とは、OSにアプリケーションストア経由でインストールして使うアプリのことです。正式名称は、ネイティブアプリケーションといいます。

ネイティブアプリはスマートフォンやタブレット端末用に開発されているため、カメラ・マイク、GPSなどのデバイス自体の機能を活用することができます。動作スピードも速く、操作性に優れていることが特徴です。

動作スピードが早いので、操作性や機能性にこだわったアプリを作りたいならおすすめです。例えば、カメラ機能が重要な自撮りアプリや、プッシュ通知が重要な学習アプリなどに適しています。

ネイティブアプリのメリット・デメリット

ネイティブアプリのメリットとデメリットについて解説します。

メリット

ネイティブアプリのメリットは、主に4つあります。

オフライン環境でも利用できる

ネイティブアプリは、インターネットに接続せずにオフライン環境でもアプリを利用できます。

一度アプリをインストールしてしまえば、インターネットは不要です。

Web上での操作が不要なネイティブアプリの特徴と言えます。

動作が早い

ほかのアプリと比べて動作速度が早いため、ストレスを感じさせずに操作できます。

なぜなら、インターネットに接続せずにデバイス内で処理が完結するからです。

操作ごとの待ち時間が発生しないため、快適に利用できます。

アプリ内課金が簡単

アプリ内課金が簡単にできるため、収益化に役立ちます。

iOSならAppStore、AndroidならGoogle Platといったアプリケーションストアから課金をさせるため、支払い情報を改めて登録する必要がありません。

ユーザーが「買いたい」と思ったタイミングで、ワンタップで支払い処理が完了します。

そのため、カード情報を登録するための動作で購買意欲を低下させずに済みます。

全端末でプッシュ通知が使える

全端末でプッシュ通知が使えることも、ネイティブアプリならではのメリットです。

ユーザーがブラウザを閉じていても発信したいメッセージを送ることができます。

「新しいコンテンツを追加しました」「3日間限定セール開催中」など、ユーザーにとって有益な情報を確実に届けることができ、アクセス数や収益のアップが期待できるでしょう。

ユーザーに長く使ってもらえる

ユーザーに長く使ってもらうことを促せることもメリットです。

一度インストールしてもらえれば、スマホやタブレットのホーム画面にアプリを設置できるため、簡単にアクセスできます。

わざわざURLを打ち込んでアクセスする必要がなく、ワンタップでアクセスできてしまうことからユーザーの手間を減らせるからです。

また、常にホーム画面にアプリを設置できることは、ブランドやサービスの強いPRになります。

さらに、プッシュ機能を使うことで、定期的にユーザーの利用を促すことも可能です。

デメリット

ネイティブアプリのデメリットは、主に4つあります。

リリース前にアプリストアの審査がある

ネイティブアプリは、リリース前にかならずアプリストアの審査を受けなければなりません。

iOS向けのAppStoreやAndroid向けのGoogle Playなど、アプリストアごとに審査基準が異なります。

審査には一定の期間がかかり、2週間程度を見込まなければなりません。

そのため、開発してすぐにユーザーの利用へつなげることは難しいです。

とくに「AppStoreの審査は厳しい」ことは有名な話で、Google Playに通ってもAppStoreに落ちることも珍しくありません。

開発コストが大きくなる

ほかのアプリと比べると、開発コストが大きくなりやすいです。

なぜなら、アプリの開発言語や開発環境がiOSとAndroidで異なるため、それぞれの言語で開発を進めなければならないからです。

時間を短縮するために言語ごとにエンジニアを雇うか、費用を抑えるために複数の言語を扱えるエンジニアを雇うかしなければなりません。

同じサービスであっても、対応OSごとに開発を進めなければならないためコストが大きくかかる傾向にあります。

OSのアップデートへの対応にコストがかかる

デバイスのOSのアップデートによる影響を受けやすく、対応にコストがかかります。

ネイティブアプリはiOSやAndroidなどのOSの上で動くため、OSのアップデートに合わせてネイティブアプリもアップデートしなければなりません。

アップデートのタイミングを合わせなければアプリが動かなくなってユーザーに迷惑をかける事態もあり得ます。

また、古いOSへ対応できなくなるケースもあり、すべてのOSバージョンでの動作を保証することは難しいです。

ダウンロードに手間がかかる

アプリを利用するために「アプリストアからダウンロードする」という一手間がかかります。

利用するまでの動作があるため、ユーザーにとっての利用するハードルは少し高いです。

たとえば、ウェブサイトで広告を見て「利用したい」と思ったユーザーが、利用のためにダウンロードが必要であると分かると「利用しない」という選択を選ぶ可能性があります。

ユーザー獲得をするためにダウンロードという1つの壁があると言えるでしょう。

アプリの種類別の違い

ネイティブアプリ・Webアプリ・ハイブリッドアプリ・PWAの4種類のアプリを比較してみましょう。

ネイティブアプリ Webアプリ ハイブリッドアプリ PWA
特徴 OSにアプリケーションストア経由でインストールして使うアプリ Webのブラウザ上で操作をするアプリ Webアプリとネイティブアプリの両方の要素のあるアプリ Web上で利用するアプリであるものの、ネイティブアプリのように使えるアプリ
メリット オフラインで使える動作が早いカメラや位置情報などの端末機能が使える収益化しやすいプッシュ機能が全端末に対応してる 開発コストが低いOSの影響を受けにくい機能追加や改善がしやすい 開発コストが低いカメラや位置情報などの端末機能が使えるプッシュ機能が全端末に対応しているOSの影響を受けにくい オフラインで使えるプッシュ機能ができるOSの影響を受けにくいURLでアクセスできる
デメリット 開発コストが高いアプリストアの審査があるOSの影響を受けやすい ブラウザに準拠した機能しか使えないインターネット環境がないと使えないサービスの継続利用を促しにくい インターネット環境がないと使えないアプリストアの審査があるネイティブアプリに比べてリッチコンテンツを提供しづらい 普及率が低いアプリストアで取り扱われないiOSの機能不足

ネイティブアプリは、ゲームや写真・画像の加工といったスマホやタブレットならではの機能を使ったサービスに適しています。

また、Webアプリやハイブリットアプリは、ニュース情報やECストアなど頻繁に情報を更新したいサービスに向いています。

ネイティブアプリとWebアプリの違い

ネイティブアプリとWebアプリの違いは、ネイティブアプリはスマートフォンなどのデバイス内で操作をするのに対し、WebアプリはWebのブラウザ上で操作をすることです。

そのため、ネイティブアプリはアプリをインストールしなければなりませんが、Webアプリはインストールの必要はありません。

もちろんアプリを使用しないWebアプリにはアプリストアの審査がないため、好きなタイミングでリリースやアップデートが可能です。

一方、Webアプリのプッシュ通知機能は限定されるため、すべてのデバイスに通知することはできません。

▼Webアプリについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参照

このような特徴を持つWebアプリ開発に向いているサービスは、以下のとおりです。

  • デバイスの性能や機能性をあまり重視しなくても使えるようなもの
  • コストや開発期間を最小限にして、スモールスタートで早くリリースしたいもの(新規事業の立ち上げ等)

Webアプリの例としては、GmailやGoogle Docs、YouTubeが挙げられます。まずは、自社で開発したいサービスが上記の特徴を持っているかを確認してみましょう。

ネイティブアプリとハイブリッドアプリの違い

ハイブリッドアプリとは簡単に言うとネイティブアプリとWebアプリ両方の良いところをそれぞれ兼ね備えたアプリです。

ユーザーがアプリを利用する際はブラウザ上ではなく、デバイス上でのネイティブ環境で利用できます。

ネイティブアプリと比較すると機能面では劣るものの、テンプレートが豊富なので開発のハードルは低いと言えます。

このような特徴を持つハイブリッドアプリに向いているサービスは、以下のようなケースに当てはまるものです。

  • ネイティブアプリほど高機能でなくてもよいから開発のハードルを低くしたい場合
  • カメラ・マイク機能を搭載したWebアプリよりも高性能なアプリを作りたい場合

オフラインでも利用できる学習アプリやゲームアプリなどが適しています。

ネイティブアプリとPWAの違い

PWA(プログレッシブWebアプリ)とは、Web上で利用するアプリであるものの、ネイティブアプリのように使えるようにしてあるアプリです。

ハイブリットアプリと似ていますが、PWAはブラウザ上で動作できます。

PWAとしてみなされるものは、以下の点を満たさないといけません。

  • 動作が早い
  • 機能性が優れている
  • コンテンツを検索エンジンで見つけることができる
  • URL を送るだけでアプリを共有できる
  • アプリをデバイスのホーム画面に追加できる

ダウンロードしなくてもURLから起動できるためアプリストアの審査がいらず、好きなときにリリース・アップデートできます。

また、デバイスに保存すればオフラインでも利用できる利便性があります。

一方で、ネイティブアプリと比較して開発コストが高くなりやすいことがデメリットです。

PWAが登場して「ネイティブアプリはオワコンだ」と言われた時期もありましたが、デバイスの機能を使うにはネイティブアプリの方が得意なためネイティブアプリが主流な時代はまだ続きそうです。

さらに、iOSではプッシュ通知の対応がなく、iOS向けのサービスにおいてはPWAとしてみなされません。

ネイティブアプリの開発費用・期間

ネイティブアプリの開発費用は、種類によって相場が異なります。

ゲーム・エンタメ 300〜1,500万円
ネットショッピング 150〜300万円
コミュニケーション(通話・メッセージ) 100〜500万円
カタログ・フリーペーパー 50〜100万円
学習 50〜300万円
MAP・SNS・位置情報 500〜1,000万円
便利ツール 50〜300万円
AR 5〜100万円
アプリ内課金・多言語などの機能追加 10〜20万円
アクセス解析・SNS連携などの機能追加 5万円程度

作業人数×期間を元に費用のベースを決めることが一般的です。

制作期間に関しても、アプリの種類によって目安が異なります。

便利ツール 1ヶ月程度
SNS 2〜8ヶ月
ネットショッピング 2〜12ヶ月
会員認証 2〜3ヶ月
オンデマンド 5〜7ヶ月

開発費用や期間は制作会社によって異なるため、かならず見積もりをしてもらってから依頼するようにしましょう。

ネイティブアプリの主要な開発言語

「スマホアプリ」と「PCアプリ」に分けてネイティブアプリの主要な開発言語について解説します。

どちらにも使用できるものもありますが、今回は代表的なものに絞って紹介します。

スマホアプリにおすすめな開発言語

スマホアプリにおすすめな開発言語は、4つあります。

Swift

Swiftは、2014年にApple社が開発した開発言語です。

スマホアプリ以外にもMacアプリが使われます。

比較的新しい言語ですが、iOS向けのアプリを開発する場合に使われることが一般的となっています。

Objective-C

Objective-Cは、C言語をベースにして開発されたiOS向けの言語です。

初期のiOS向けのアプリの多くが、Objective-Cを使って開発されていました。

現在はObjective-CではなくSwiftを使用することが多いですが、既存アプリではObjective-Cが用いられているため完全にはなくならない言語です。

スマホアプリだけでなく、Macアプリ開発にも使われます。

Kotlin

Kotlinは、2011年にGoogle社が開発したAndroidアプリの開発言語です。

Androidアプリの開発言語の公式認定がされています。

Javaをベースに開発した言語であることからJavaとの互換性があり、Javaで開発したアプリをKotlinに変換できます。

Javaよりも簡潔にコードが書けることが特徴で、Androidアプリの主流になっていく言語です。

Java

Javaは、OSに関わらず使える開発言語です。

セキュリティ性が高く、動きのあるコンテンツに適しています。

Androidアプリの開発においては現在はKotlinが主流ですが、既存アプリの運用・保守の観点からJavaがなくなることはないでしょう。

Javaはスマホアプリだけでなく、PCアプリの開発にも使える汎用性の高い言語です。

PCアプリにおすすめな開発言語

PCアプリにおすすめな開発言語は、4つあります。

C言語・C++

C言語は1972年に開発された歴史の古い開発言語です。

処理速度が高いため、企業の基幹システムやゲームなどの開発言語として使われます。

また、PCに限らず家電や自動車の開発にも使われている汎用性が高い言語です。

C++はC言語の機能を拡張したものです。

難易度は高いもののC言語よりも自由度が高く、大型の業務管理システムやロボットの制御システムなどの大規模な開発に使用されています。

C#

C#は、Webアプリの項で紹介したJavaの設計を踏襲する形で作られたプログラミング言語です。

2000年にMicrosoft社が独自開発した言語で、Windowsに特化しています。

主に業務アプリケーションの開発に使われます。

VisualBasic

VisualBasicは、Microsoft社が開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。

Windowsアプリと連動させるシステムの開発のために使われます。

ASP

ASPは、Microsoft社が開発したフレームワーク技術の一種で、「Active Server Pages」の頭文字を取ったものです。

厳密にはプログラミング言語ではありませんが、ネイティブアプリの開発に使われる技術です。

企業の業務アプリに使われることが多く、在庫管理や給与会計などに使われます。

スマホアプリに使われる開発言語として紹介したSwiftやObjective-CはMacアプリ開発にも用いられます。

まとめ

ネイティブアプリとは、アプリケーションストアからデバイスにインストールして使うアプリのことです。

デバイスのOSで動作し、カメラやマイク、GPSなどデバイスの機能を活用できます。

ユーザーにインストールしてもらう手間がありますが、一度インストールしてもらう手順を踏めば、長期間スマホやタブレットの待ち受け画面に設置されるため、サービスやブランドをアピールし続けられます。

また、アプリ内課金がしやすく、購買意欲が高いままユーザーにお金を使ってもらえることも大きな魅力です。

各アプリの特徴、開発期間や費用を踏まえて、自社にあったアプリを選択するようにしましょう。