iphone(IOS)アプリをどのように開発すればよいか悩んでいませんか。実際に作業を始める前に、準備するものや手順について理解しておかなければ思っていた通りに開発が進まないかもしれません。
本記事では、iphone(IOS)アプリの開発に必要な準備物や言語、開発手順について解説します。
これからiphone(IOS)アプリの開発をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
iphone(IOS)アプリの開発に必要なもの
iphone(OOS)アプリを開発するためには、以下のものが必要です。
- 開発環境
- iPhone&Apple ID
- Apple Developerアカウントの取得
- 必要なメモリ容量
必要な準備物を説明する前に、windowsでもiphone(IOS)アプリの開発ができるのかについて解説します。
windowではなくmacの環境が必要?
結論から言うと、windowsのパソコンでアプリ開発はできるものの、リリース時にはmacが必須です。
iphone(IOS)アプリをリリースする際、Apple社が提供するXcodeという無料統合開発ツールを使用します。Xcodeはmac環境がなければ使えません。そのため、windowsのパソコンでアプリ開発を行ったとしても、最終的にmac環境におけるXcodeの使用が必須です。
windowsのパソコンでiphone(IOS)アプリを開発する場合、Xcode以外の開発ツールを使います。もちろん、使用する開発言語が違うため、iphone(IOS)アプリで主に使われるSwift以外の言語も習得しなければなりません。
いままでwindowsのパソコンを使っている方にとってはmacの購入が1つのハードルとなるでしょう。しかし、本格的にiphone(IOS)アプリを開発したいのであればmacは必須のため、購入しておきましょう。
開発環境
iphone(IOS)アプリの開発に適切な開発環境は、以下の通りです。
Xcode | mac専用の統合開発環境言語:Swift |
---|---|
Xamarin | windowsで使える開発環境言語:C# |
Flutter | Google社が開発した開発環境言語:Dart |
iphone(IOS)アプリ開発で相性が良い開発環境は、Xcodeです。Apple社が開発した統合開発環境で、少ないコードでアプリ開発ができます。
Xamarinはiphone(IOS)・Androidoのアプリをどちらも開発できます。両OSでリリースしたい場合におすすめです。
Flutterはデザイン性が高く、ユーザーに評価されやすいUI構築が期待できます。
iphone(IOS)アプリに注目するとXcodeの相性が良いため、こだわりのない方やiphone(IOS)アプリを中心に開発をするのであれば、Xcodeを選びましょう。
iPhone&Apple ID
iphone(IOS)アプリの開発をしながら、動作・デザインのテスト・チェックをするためにiPhoneを用意しましょう。開発自体はパソコンで行うものの、最後のチェックはiPhoneの実機が必要です。
また、アプリの申請にはApple IDが必要です。個人による開発であれば個人アカウント、法人による開発であれば法人アカウントを準備しましょう。
Apple Developerアカウントの取得
最後にiphone(IOS)アプリをApp Storeからリリースする際、Apple Developerアカウントが必要です。Apple Developerアカウントは、Apple Developer Programに登録すると発行されます。
Apple Developer Programとは、App Storeからリリースするアプリの開発・配信に必要な機能を一括で提供してくれるサービスです。
Apple Developerアカウントの取得費用
Apple Developerアカウントを取得するには、Apple Developer Programへの加入が必要です。Apple Developer Programの加入料は、年間11,800円です。
決して安い金額ではありませんが、アプリを配信するのであれば加入しなければなりません。App Storeのアプリチェックや管理は厳しいため、このような措置が設けられています。
必要なメモリ容量
パソコンのメモリは8GB以上、ハードディスクは64GB以上が開発環境に必要なスペックの目安です。
メモリは4GB以上でも開発できますが、処理が遅くストレスを感じる可能性があります。開発しながら動画やオンラインゲームをする場合でも、16GBあれば十分です。
仮想メモリが必要な理由
仮想メモリを作っておくと、アプリ開発をスムーズに進めやすいです。
アプリ開発をすると大量のデータ処理を行うため、容量が不足する場合があります。容量不足に陥ると、動作が鈍くなってしまいスムーズな作業ができません。
そこで、仮想メモリが役立ちます。仮想メモリとは、ハードディスクの一部をメモリとして利用するときに作成されるファイルのことです。メモリの役割を与えられたハードディスクの一部と理解しましょう。
パソコンの物理メモリが不足しているときに、仮想メモリへデータを移動させるとパソコンの動作が重くなったりフリーズしたりすることを防げます。
ただし、一時的な対策に過ぎません。パソコンがフリーズしてしまう原因は物理メモリの不足なため、メモリを増設しなければ根本的な解決はできないと覚えておきましょう。
iphone(IOS)アプリの開発に必要な言語
iphone(IOS)アプリの開発に必要な言語は、以下のいずれかです。
- Swift
- Java
- Python
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
Swift
Swiftは、Apple社が開発した独自のプログラミング言語です。iphone(IOS)アプリ以外にも、macやApple Watch、Apple TVなどのApple社製品のアプリ開発に使えます。
Swiftの特徴は、コード構成がシンプルな点です。読みやすい・書きやすいといった評価が多く、プログラミング初心者でも覚えやすいでしょう。
Apple社から提供されている言語のため、iphone(IOS)アプリの開発に適しています。
Java
Javaは、世界的に使われているプログラミング言語です。セキュリティの高さに定評があり、攻撃を受ける可能性がある大きな規模のアプリを開発する際に使われます。
Androidアプリや他のソフトでもJavaは使われており、windowsやLinuxでも動作します。汎用性が高いため、習得しておくとさまざまなシーンで役立つでしょう。
Python
Pythonは、AI開発分野でも使われているプログラミング言語です。統計処理やデータ分析、画像処理を得意としています。
多くのエンジニアに使われている言語のため、開発過程でつまづいてもネット上で解決しやすいです。iphone向けのアプリケーション「Pythonista3」をインストールすれば、iphoneでiphone(IOS)アプリを開発できます。
iphone(IOS)アプリの開発の手順
iphone(IOS)アプリを開発する手順は、以下の通りです。
- アプリ企画
- 要件定義
- アプリ設計
- 開発
- テスト・点検
- Appleの審査
- リリース
- 運用・メンテナンス
順番に確認しましょう。
アプリ企画
まず、どのようなアプリを制作するのか企画を立案していきます。アイディアが浮かばなくても、今使っているアプリに足りない機能やあったら嬉しい機能を付け足すだけでも十分です。
初心者であれば儲けることを目標にせず、「自分が欲しいもの」を形にすることを目標にすると最後まで妥協せずに制作できます。
アプリの大まかな枠組みが決まったら、以下の3つの面から具体的に内容を詰めていきましょう。
- 機能
- デザイン
- 実現方法
初めてアプリを開発するときのポイントは、思い描く機能やデザインをどのように実装させるかです。あなたの持つスキルを使って制作できるアプリを目指しましょう。
要件定義
つづいて、アプリ要件定義をしていきます。要件定義とは、アプリ完成に必要な以下のような要素を定めていくことです。
- 開発目的
- 概要
- 搭載する機能
- 想定される利用者と利用者ニーズ
- アプリが使用される利用シーン
要件定義は、チームでアプリ開発する際や、顧客から依頼を受けてアプリ制作する際に、意思疎通のために行う作業です。
そのため、個人で制作する場合、事細かに要件定義する必要はありません。しかし、搭載する機能については優先順位をつけて、開発が難航した際に備えておきましょう。
アプリ設計
要件定義が終わったら、アプリ設計に入っていきます。
まずは外部設計を行い、外部設計をもとに内部設計を行います。さらに、内部設計をもとに、プログラミングを行っていくため重要な作業です。
外部設計・内部設計について詳しく確認しましょう。
外部設計
外部設計では、要件定義で決めた内容をもとに基本的な設計を行います。決定していく内容は、以下の通りです。
- ユーザーから見えるインターフェイスの仕様
- 操作画面
- 操作方法
- データ出力方法
- セキュリティ
- 運用規定
- 開発スケジュール
- 費用
また、以下の画面設計図も制作しておくと、内容が明確化します。
- 必要画面の一覧
- 操作ボタン一覧
- 画面ごとのレイアウト案一覧
- 画面操作によるアクション一覧
外部設計では、主にユーザーから見える部分について組み立てていきます。
内部設計
外部設計をもとに、内部設計では、ユーザーからは見えにくい部分を設計していきます。決定していく内容は、以下の通りです。
- システム内部の動作・機能
- 物理データの処理
- 初期値の定義
これらを明確化していくことで、どのようなプログラミングで機能を実装していくかわかる状態にします。
開発
設計した内容をもとに、実際にソースコードを書いてアプリ開発をスタートします。iphone(IOS)アプリの開発は、macでXcodeを使ってSwiftで行うことをおすすめします。
チームで開発を進めたり、依頼を受けてアプリ制作をしたりする場合は、設計で曖昧な部分は放置せず確認を取ってからプログラミングするようにしましょう。個人でアプリ制作する際には、自分の思う通りに制作して問題ありません。
テスト・点検
開発が進んだら、動作確認のためにiPhoneを使ってテスト・点検を行います。エラーやバグがないかくまなく確認し、出てきた部分があれば修正しましょう。
テスト・点検は開発途中で複数回に分けて行います。アプリ開発をすべて終えてからテスト・点検を行うと修正内容に合わせて他の部分も修正する必要が出てくる場合があるためです。そのため、一部分ごとにテスト・点検をし、問題なければ次の作業に進むようにしましょう。
Appleの審査
テスト・点検を経て問題なければ、App Storeからリリースするための審査を受けます。リリース手順は、以下の通りです。
- iTunes Connectにアカウント登録する
- Apple Developer Programに加入登録する
- 審査手続き・設定を行う
- アプリをアップロードする
- Appleの審査に申請する
承認されると、メールが届きます。
Appleの審査期間
Apple社によるアプリの審査期間は、1週間〜数週間程度です。もちろん、審査に通らない場合もあります。審査には時間がかかると理解し、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
リリース
審査によってアプリが承認されると、メールが届きます。内容は、App Storeでリリースできるようになったというお知らせです。
リリースのタイミングは、以下のなかから選べます。
- 承認後すぐにリリースする
- リリース日を設定する
- 準備が整ったら手動でリリースする
ほかにもオプションが用意されています。指定したオプションに即して、App Storeでアプリが公開されていることを確認しましょう。
運用・メンテナンス
iphone(IOS)アプリのリリース後は、不具合の発生を防ぐために運用・メンテナンスを行います。アプリの運用・メンテナンスの目的は、以下の通りです。
- ユーザーニーズに対応する
- バグや不具合を解消する
- IOSアップデートにアプリ機能を合わせる
ユーザーに対して安定したサービスを提供するために、運用・メンテナンスは欠かせません。
iphone(IOS)アプリの開発にかかる費用
ここからは、iphone(IOS)アプリの開発にかかる費用について解説します。あらかじめ、どれほどの費用がかかるかを理解しておき、リリース時に慌てないように準備しましょう。
iphone(IOS)アプリの維持費
iphone(IOS)アプリの維持にかかる費用は、以下の通りです。
項目 | 費用の目安 |
---|---|
Apple Developer Program | 年間11,800円 |
サーバー | 年間20,000〜300,000円 |
ドメイン維持 | 年間500〜50,000円 |
保守対応 | 外注すると、月100,000円以上 |
機能追加・改善 | 外注すると、機能ごとに100,000〜500,000円 |
もちろん、保守対応や機能追加を外注しなければこれほどの費用はかかりません。自社で行う際はエンジニアに対する人件費がかかり、個人でやる際には自分の負担になります。
iphone(IOS)アプリの開発にかかる費用が高い理由
iphone(IOS)アプリの開発にかかる費用が高い理由は、Apple Developer Programへの登録費用が高いことにあります。Apple Developer Programへの支払いを怠ると、App Storeからリリースしたアプリが消えてしまいます。
ちなみに、Androidアプリをリリースする際にはGoogleディベロッパーアカウントを作成しなければなりません。登録費用に25US$(約3,740円)かかりますが、1回限りの課金です。
一方、Apple Developer Programはリリース後も登録し続ける必要があり、毎年11,800円を支払う必要があります。
iphone(IOS)アプリの開発期間
iphone(IOS)アプリの開発期間は、企画から設計、開発、テスト、リリースまでに4〜6ヶ月程度と見ておきましょう。大規模なものだと、10ヶ月以上かかるケースも珍しくありません。
工程ごとに、目安の期間を見てみましょう。
作業内容 | 目安期間 |
---|---|
アプリ企画 | 1週間 |
要件定義 | 1週間 |
アプリ設計 | 1週間 |
開発 | 1ヶ月〜1年 |
テスト・点検 | 1〜2ヶ月 |
Appleの審査 | 1週間〜数週間 |
もちろん、これらの期間は目安に過ぎません。アプリの規模によって、開発やテスト・点検にかかる期間は大きく変動します。
Appleアプリの審査期間
開発したiphone(IOS)アプリの収益化
開発したiphone(IOS)アプリを収益化したい場合、以下の方法を検討しましょう。
- アプリの有料化
- アプリ内広告
- アプリ内課金
詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
アプリの有料化
アプリを有料化する方法があります。ダウンロードの際に課金する買い切りタイプと、月々課金するサブスクリプションタイプの2つの種類があります。
有料化すると、無料アプリと比べてダウンロード数は減ってしまうでしょう。しかし、コアなユーザーにアプリを利用してもらえます。人気アプリに成長させられれば、大きな収益が得られるでしょう。
ただし、「お金を払ってでもダウンロードしてみたい」と思わせる強い魅力が必要です。
アプリ内広告
アプリを利用する際に広告をユーザーに見せて、広告収益を上げる方法があります。
広告を見せるタイミングは、以下の通りです。
- アクションをする際に広告動画を流す
- アプリの上部や下部に広告バナーを設置する
広告収益には、2つの種類があります。
- 表示回数に応じて報酬が発生する
- クリック回数に応じて報酬が発生する
多くのユーザーに利用してもらえれば広告の露出量が増え、大きな収益となります。
ただし、広告が頻繁に出てくると、ユーザーが使いづらさを感じてしまうかもしれません。ユーザー離れの要因となるため、広告を出す頻度や掲載する場所には注意しましょう。
アプリ内課金
アプリ内に課金サービスを用意して収益を上げる方法もあります。
有料でしか見れない情報やアイテムを作っておくと、コアユーザーは課金してくれる可能性があります。定期的な課金は見込めないものの、定期的にイベントやキャンペーンを行えば課金のきっかけを作れるでしょう。
Apple手数料
有料アプリとアプリ内課金で収益を上げる場合、Apple社に対して手数料を支払わなければなりません。手数料率は、事業規模によって15〜30%の間で設定されています。
事業規模 | 手数料率 |
---|---|
前年のデベロッパの収益が100万ドル超え | 30% |
前年のデベロッパの収益が100万ドル未満 | 15% |
ちなみに、Androidアプリでも、有料アプリやアプリ内課金にはGoogleに対してサービス手数料が発生します。手数料は、アプリの種類によって10〜15%の間で設定されています。
アプリの種類 | 手数料率 |
---|---|
電子書籍や音楽・映像配信サービス | 10% |
その他のアプリ | 15% |
電子書籍や音楽のコンテンツを扱うアプリには著作権がかかり、コスト軽減の措置がとられています。
iphone(IOS)アプリ外注・内製のメリット・デメリット
iphone(IOS)アプリを外注すべきか内製すべきか、悩んでいる方もいるでしょう。
最後にiphone(IOS)アプリを外注・内製するメリット・デメリットについて解説します。良い面・悪い面を知って、どのようにiphone(IOS)アプリを開発するか決めましょう。
外注するメリット・デメリット
iphone(IOS)アプリを外注するメリットは、自社社員の人材育成コストがかからない点です。コア業務に集中させられるうえに、専門知識を持つエンジニアにアプリ開発を任せられます。クオリティの高いアプリが短時間で開発できるでしょう。
一方、デメリットは内製するときと比べてコストがかかる点です。開発後の運用・メンテナンスにも費用が発生し続けるため、維持費も膨大にかかる可能性があります。
自作するメリット・デメリット
iphone(IOS)アプリを自作するメリットは、大幅に費用を抑えられる点です。自社メンバーや、個人で制作すればスケジュール・仕様の変更にも柔軟に対応できます。また、プログラミングのノウハウも蓄積でき、次のアプリ開発も内製できるでしょう。
一方、デメリットは、スキル面に不安がある点です。アプリのデザインや機能、使いやすさなど、クオリティが期待しているものに達しない可能性があります。結果的にユーザーに喜んでもらえなければ、アプリ開発にかけたお金と時間が無駄になってしまいます。
まとめ
iphone(IOS)アプリを開発するには、mac環境やApple社が提供するXcodeを準備する必要があります。また、リリースや維持にはApple Developer Programに加入しておかなければなりません。
Androidアプリとは異なるため、あらかじめ下調べをして準備を進めたうえで開発を進めましょう。
もし、行き詰まった場合には、外注する選択肢も考えてみてください。費用はかかるものの、高クオリティのアプリが期待できます。