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株式会社リレイス
新規事業

新規事業が求められているわけとは?新規事業とDXの関係

新規事業が求められているわけとは?新規事業とDXの関係

企業には今、新規事業が求められています

例えば中小企業庁は、企業が新規事業を立ち上げる意義を次のように解説しています(*1)。

●産業構造が急激に変化する可能性がある状況のなかで、中小企業が継続して成長していくためには、既存の事業にこだわらず、時代の変化に対応し、積極的に新市場の開拓や新たな事業の展開に取り組んでいくことが重要である

これはつまり、既存事業だけにこだわり、新市場を開拓しなかったり新事業に取り組まなかったりすると継続して成長することが難しい、と警鐘を鳴らしているわけです。

そこでこの記事では新規事業に関して、

  1. 必要になる理由
  2. デジタルトランスフォーメーション(英語で表記するとDigital transformation、DX)の重要性
  3. 立ち上げ方
  4. 立ち上げのタイミング
  5. アイデアの出し方
  6. アイデアを出すためのフレームワーク
  7. 成功させるポイント

を解説します。

 

新規事業が必要になる3つの理由

企業が「今」新規事業を立ち上げなければならないのは、次の3つの理由があるからです。

  • 本業の市場が縮小するから
  • 新たな経営の柱が必要だから
  • 新規事業立ち上げコストが低下しているから

1つずつ確認していきましょう。

本業の市場が縮小するから

中小企業庁は日本企業が置かれている状況を「国内人口の減少や少子高齢化による国内需要の変容、また、グローバル化による国際競争の激化など、市場環境の変化は激しくなっている」と評しています(*1)。

ポイントは、業界や業種を特定していない点です。

人口減少、少子高齢化、需要の先細り、競争激化は、どの業界どの業種にも襲いかかります。

企業経営者は「自社の本業の市場が縮小する」ことを覚悟、懸念しながら事業運営していく必要があります。

本業が縮小する危機に直面しているのであれば、新規事業が必要になります。

新たな経営の柱が必要だから

経営の教科書には「1本足打法経営は弱い」と書いてあります。

企業が経営の柱を1本しか持っていなければ、その事業が不振に陥るとすぐに経営が傾いてしまいます。

経営の柱を複数持つことで経営が安定します。

新規事業は新しい経営の柱になります。

新規事業を立ち上げるコストが低下したから

新規事業の立ち上げコストが低下している「今」は、その好機といえます。

日本銀行と日本政府は異次元の金融緩和策、低金利策を継続していて、新規事業で必要になる資金の調達コストは最低レベルになっています。

また、IT、インターネット、クラウド、サブスクリプションなどの普及により、新規事業の立ち上げに必要なツールの価格が低下しています。
例えば、小売企業がネット通販などのECを始めるとき、月数千円で済むこともあります。

新規事業に取り組むにはDXは必須

新規事業を立ち上げるとき、同時に自社のDXにも取り組みましょう。

新規事業とDXはセットで考え、同時進行させていくことをおすすめします。

DXを導入すると新規事業の推進を効率化できる

社内のDXを、コンピュータ・システムを導入したり、コミュニケーション・ツールを活用したり、ビッグデータをAI(人工知能)で分析したりすること、と理解している人は少なくないと思います。

その理解は間違っていませんが、十分ではありません。

DXとは、IT化やインターネットの活用によって、イノベーションを起こす取り組みです。

経済産業省はDXを次のように定義しています。

<経済産業省によるDXの定義>

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

参考:https://mirasapo-plus.go.jp/hint/15869/

経営者としては、せっかく新規事業を立ち上げるのであれば「競争上の優位性を確立」したいはずです。

そうであるならば、DXは必須です。

DXは新規事業の推進を効率化させるからです。

DXは新規事業の成長を加速させることができる

新規事業を立ち上げることは簡単ではありません。

なぜなら、立ち上げることが簡単な事業であれば、すでに誰かが手がけているからです。

しかし、立ち上げた新規事業を継続させることは、立ち上げることより何倍も難しいでしょう。

なぜなら、新規事業の立ち上げに成功すると、それを後追いする企業が現れるからです。

新規事業の立ち上げと同時に社内のDXが進んでいれば、その事業の成長を加速させることができます。

DXは新規事業のスタートダッシュを成功させ、新規事業を安定飛行させることにも寄与します。

新規事業の立ち上げ方

新規事業は、新しいビジネスでありさえすればよい、わけではありません。

先ほど指摘したとおり、自社のもう1つの柱になるほど強固な事業でなければなりません

そして新規事業の立ち上げは苦労するでしょう。

何度か失敗するかもしれません。

他社があきらめた事業こそ、新規事業になる可能性があるわけですが、他社があきらめるくらいなのでその事業を立ち上げることは容易ではありません。

そこで経営者が「新規事業の立ち上げに乗り出そう」と思い立ったら

  1. 目的を定める
  2. 市場を調べる
  3. 組織体制を整備する
  4. 決断して投資する
  5. 資金を確保する

の5つの作業に取りかかってください。

目的を定める

新規事業の立ち上げは、コストと時間と手間がかかります。

それでも100%成功する保証はありません。

成功するかどうかわからないのに投資をすることは、リスクを抱えることと同義です。

そのため新規事業に取り組む目的が合理的、理想的でないと、長丁場を戦い抜くことはできないでしょう。

また新規事業の立ち上げでは従業員に負担をかけることになります。

目的があると、従業員が「じゃあやろう」と納得しやすくなります。

目的は、将来性や社会貢献度などを考慮して立てることになります。

市場を調べる

世の中にまったくなかったビジネスで新規事業を打ち立てることは至難の業で、それは超大手企業でも難航するでしょう。

多くの「企業の新規事業」は、ある企業が既存の市場に新規に参入することを指します。

もしくは、既存の市場に新しいコンセプトを携えて参入することです。

そのため新規事業に乗り出す企業は、大抵はその市場で最後発組になります。

つまり不利な状態からのスタートとなります。

新規事業を企画したら、早い段階で市場調査に乗り出しましょう。

本当にその市場で戦えるのか、顧客は十分存在するか、勝算はあるのか、自社の技術で他社製品と差別化できるのか、などを調べます。

組織体制を整備する

古い体制で新しいことをしようとしてもうまく進みません。

新規事業には新しい組織体制で臨みたいものです。

例えば、現在の社内体制が年功序列的であれば、能力主義を導入してもよいでしょう。

能力主義であれば、新規事業で成果をあげたスタッフに多くの報酬を与えることができます。

また、残念ながら従業員のなかには、新規事業にネガティブな印象を持つ人もいます。

組織体制が変わっていないと、そのようなネガティブな人たちは新規事業の抵抗勢力になってしまいます。

新規事業に意欲的な社員が働きやすいと感じるような、新しい組織体制を構築する必要があります。

決断して投資する

経営者が「いける」と判断したら、次は新規事業の開始を決断しなければなりません。

経営者にとっての決断とは、人モノカネの手当です。

つまり資金を集め、予算を組み、スタッフを確保して、必要な資源を購入して、プロジェクトを始めなければなりません。

経営者の決断と投資がなければ、新規事業「案」は絵に描いた餅です。

そして経営者が決断と投資をした瞬間から、新規事業の歯車が回り始めるのです。

資金を確保する

投資をするには資金が必要です。

資金確保では金融機関から融資を受ける必要がありますが、補助金や助成金も活用したいところです。

補助金や助成金は返済不要の資金であり、なおかつ、政府や自治体も活用を推奨しています。

最適な新規事業立ち上げのタイミング

いくらよいアイデアが浮かんでも、闇雲に新規事業を始めてしまうと途中で失速してしまうでしょう。

ビジネスには常にタイミングが必要で、それは新規事業の立ち上げでも同じです。

企業には、創業期、成長期、成熟期、衰退期、回復期があります。

このうち、新規事業の立ち上げタイミングに適しているのは、成長期と成熟期です。

そして新規事業の立ち上げに向いていないのは、創業期と衰退期と回復期です。

その理由を解説します。

ここからは実践論に入っていきます。

なぜ成長期と成熟期がよいのか

成長期は会社に勢いがある時期なので、新しいことを始めやすいでしょう。

そして従業員たちも成長という成功体験を持っているので、経営者が「新しいことをやろう」と提案すれば「できそうだ」と思うことができます。

成熟期にある企業には、人材的にも資金的にも時間的にも余裕があります。

その余裕を、新規事業の企画や計画、試験、実践に向けることができます。

なぜ創業期と衰退期と回復期が向いていないのか

企業が創業期、または衰退期、または回復期にあるとき、新規事業のことは考えないほうがよいでしょう。

創業期は本業に注力すべきですし、衰退期は本業の回復案を考えるべきです。

そしてようやく本業が回復してきたら、やはり本業に集中したいところです。

もし創業期、衰退期、回復期に経営者が新規事業を始めたら、従業員も取引先も金融機関も「本業は大丈夫なのか」と懸念するはずです。

もしくは「本業はもうあきらめたのか」と思われてしまうかもしれません。

それは決して会社の経営にプラスになることはありません。

新規事業のアイデアの探し方

先ほども少し紹介しましたが、まったくのゼロから、これまで世の中に存在しなかった製品やサービスを開発して、それで新規事業を興すことはとても難しいことです。

イノベーションを生み出すことに成功した有名企業の新規事業でも、よくよく観察すると既存のビジネスをベースにしています。

例えば、歴史的なイノベーション製品と考えられているアップルのiPhoneですら、パソコンを小さくして携帯電話の機能を持たせただけ、と考えることができます。

新規事業はアイデア勝負といえます。

そこでアイデアの探し方を紹介します。

既存事業を分析する

新規事業が、自社のなかに眠っていることは珍しくありません。

そこで、新規事業を考えようと思ったら、自社の既存ソースや既存シーズを洗い出してみてください。

もし既存ソースや既存シーズを使って新規事業を組み立てることができるのであれば、すぐに取りかかることができるだけでなく、コスト安というメリットも得られます

社会の変化をとらえる

新規事業を成功させるポイントの1つは、社会の要請に応えることです。

社会が求めているものを新規事業として提供できれば、たくさん買ってもらえます。

「社会」は狙い目になります。

社会が企業に新規事業を求めるのは、既存事業では現在の社会問題を解決できないからです。

そのため、新規事業プロジェクトチームは社会が何を求めているのか、社会が今どのように変化しているのか、研究したほうがよいでしょう。

「社会ニーズ=新規事業の種」と考えてください。

顧客の本音を探る

もし企業が、本業の顧客の減少に悩んでいたら、離反した元顧客の本音に新規事業の種があるかもしれません。

離反した元顧客は、自社の製品・サービスに対して「以前はよいと思っていたが、最近よくないと思い始めた」という体験をしています。

つまり、顧客の本音を知ることで、自社に欠けているものや、自社が顧客ニーズに応えられていない部分がみえてきます。

顧客が求めているものを新規事業にできれば、その事業を軌道に乗せることは容易なはずです。

新規事業のアイデアを出すフレームワーク

新規事業のアイデアをどのように出したらいいのかわからない」と感じている方は、フレームワークを使うとよいでしょう。

フレームワークという用語はさまざまな領域で使われるのですが、ここでは考え方のパターンと理解してください。

スキャンパー法

スキャンパー法は、アイデアを量産するフレームワークである「オズボーンのチェックリスト」というものに改善を加えたものです。

既存のアイデアに対して下記の7つの問いを問いかけることでアイデアを発展させることができます。

ここではSCAMPER法という名前の由来ともなっている7つの質問項目について表で説明します。

最も単純なスキャンパー法は「増やす」「減らす」「創造する」です。

単純ですが、効果の高い方法です。

例えばスマホは、携帯電話の機能を増やした製品です。

そして最近人気の専門家電は、余計な機能を減らして低価格やコンパクト化を実現しています。

動画サイトに投稿する人たちが愛用するカメラ「ゴープロ」は、性能自体は既存のデジカメと遜色ないのですが、アクティブなシーンでの撮影を創造したことで人気を博しました。

シナリオグラフ

新製品や新サービスを考えるとき、「この製品・サービスを使う人は、どのように生活するだろうか」と想像してみます。

ユーザーや顧客を主人公にした生活シナリオを作成することを、シナリオグラフといいます。

シナリオをつくることで、想像のなかのユーザーや顧客が何を求めているのかみえてきます

例えば、保温ボトルは珍しい製品でも新しい製品でもありませんが、「エコや環境への意識が高い人が保温ボトルを使えば、ペットボトルを使わずに済むし経済的」というシナリオをつくれば新しい使い方が思いつきます。

続いて「そういう人は仕事用のバッグに保温ボトルを忍ばせておきたいから、小さいサイズのほうが喜ばれるはず」「仕事机に置いたときにスタイリッシュにみえるデザインがよい」といったシナリオが浮かんできます。

現在の保温ボトルが、旧来のものより小型で格好いいデザインなのは、メーカーがユーザーの使い方を詳細に研究したからです。

マンダラート

マンダラートは、キーワードを複数出し、それぞれのキーワードにまつわる別のワードを出していく取り組みです。

例えば「動画をつくる」というキーワードであれば「ユーチューブ」「ドローン撮影」「ゴープロ」「プロへの発注」といった、まつわるワードが出てきます。

「SNSでPR」というワードなら「フェイスブック」「インフルエンサー」「見栄えのよい画像」「ターゲティング広告」といった、まつわるワードが出てくるでしょう。

あるワードから別のワードを思い浮かべることで可能性が増えていきます。

マンダラートでは、頭に浮かんだらすぐに文字にしてみるようにしてください。

新規事業を成功させるポイント

多くの経営者が新規事業を立ち上げることの重要性を知りながら、実際に新規事業に取り組む経営者は多くはありません。

このギャップが生まれるのは、新規事業をつくることが難しいからです。

したがって、新規事業を成功させるには、あきらめないことです。

なぜ「あきらめないで」と強調するのか

「あきらめたら新規事業を興せないのは当然ではないか」と感じると思います。

それでも「あきらめないでください」と強調するのは、新規事業ではあきらめることが許されてしまうからです。

新規事業開発が進まないと「誰も成功しなかったのだから、当社がうまくいかなくても仕方がないか」と思ってしまいます。

一方、本業に陰りがみえ始めたときは、経営者はなかなかあきらめません。

それは「ここであきらめたら終わりだ」と強く思えるからです。新規事業の立ち上げでも、それくらい強い想いが必要です。

新規事業の立ち上げに1度や2度失敗したくらいであきらめないでください。

それでも撤退条件の設定は必要

あきらめない姿勢も重要ですが、経営者には撤退条件の設定も必要です。

撤退条件の設定とは例えば、3年で黒字化できなかったら撤退する、や、5年でシェア3%を取れなければ撤退する、と決めることです。

あきらめないことと、撤退条件の設定は矛盾しません。

なぜなら、新規事業への投資がかさみ本業に悪影響が及ぶと、会社の存続が危うくなってしまうからです。

経営者は、あきらめない気持ちと撤退条件の両方を胸に持ち、「継続する」または「撤退する」と決断しなければなりません。

そして経営者は、撤退条件に抵触しないように新規事業づくりを進めていかなければなりません。

安全な資金を集めたり、研究開発ができる人材を確保したり、M&Aやパートナー企業との連携を模索したり、販路を確保したりすることで、撤退条件をかわしながら新規事業の立ち上げにこぎつけることができます。

まとめ

本記事では、企業になぜ今、新規事業の立ち上げが求められているのかを解説しました。

厳しい経済情勢のなか、新規事業は経営の安定化に欠かせません。

ただ、新規事業は簡単に生まれるものではありません。

DXして準備をする必要がありますし、たくさんのアイデアを出すことも欠かせません。

本記で紹介した新規事業の立ち上げ方やアイデアの出し方を参考にして、自社の新しい経営の柱を構築していってください。