アプリ開発を依頼したとき、どれくらいの期間でリリースできるのかが気になりますよね。
アプリ開発期間の目安は、4〜6ヶ月です。ただし、アプリのジャンルや開発型、開発手法によって目安期間が大きく変動します。
本記事では、アプリ開発にかかる期間をケースごとに分けてご紹介します。工程ごとの期間や開発期間が延長される理由、想定通りに開発を進めるためのポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。
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アプリ開発の期間は?
アプリ開発にかかる期間は、目安として4〜6ヶ月です。大規模な開発が必要な場合、10ヶ月以上かかるケースもあります。
1つのアプリを開発するには、以下のような工程が必要です。
- 企画
- 設計
- 実装
- テスト
- 審査
- リリース
それぞれに一定の期間が必要なため、最低でも4ヶ月程度の期間がかかります。
また、アプリのジャンルや開発型によってアプリ制作にかかる期間は変動します。以下の種類別に開発期間の目安を確認しましょう。
- ジャンル別の開発期間
- 開発型別の開発期間
- 開発手法別の開発期間
- AndroidとIOSの開発期間の違い
順番に確認しましょう。
ジャンル別の開発期間
アプリのジャンル別に見たとき、開発期間の目安は以下の通りです。
ジャンル | 開発期間の目安 |
---|---|
検索ツールショッピング・EC系 | 1〜3ヶ月 |
メッセージ通話SNS位置情報学習ゲーム金融系業務・管理系 | 6ヶ月〜1年 |
トラブルが発生した際や追加機能を搭載する際には、目安期間よりも長くかかる可能性があります。
開発型別の開発期間
開発型によっても、目安の開発期間は異なります。
開発型 | 開発期間の目安 |
---|---|
クラウド型 | 3ヶ月程度 |
フルスクラッチ型 | 6ヶ月〜 |
それぞれどのような違いがあるのか解説します。
クラウド型
クラウド型とは、既存のモジュールを組み合わせて開発する方法です。すでに存在するモジュールを組むだけでアプリが出来上がるため、開発期間は短く済みます。一般的に、3ヶ月程度でリリースできます。
ただし、アプリの自由度が低く、高機能の機能を搭載できません。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型とは、何もないところにアプリを1から開発する方法です。搭載したい機能や仕様など、自由に設定できます。
何もない状態から作り上げるため、最短でも6ヶ月以上かかることが一般的です。規模が大きくなると、1年以上かかる場合もあります。
開発手法別の開発期間
開発手法によっても、目安の開発期間は異なります。
開発手法 | 開発期間の目安 |
---|---|
アジャイル開発 | 2〜3ヶ月。早いものだと1週間程度。 |
ウォーターフォール開発 | 6ヶ月〜1年。大掛かりなものだと2〜3年。 |
それぞれどのような違いがあるのか解説します。
アジャイル開発
アジャイル開発とは、機能別に開発と納品を繰り返す手法です。「アジャイル」には「素早い」といった意味があり、スピード感のある開発を求められる際に採用されます。アプリ全体で用件定義からリリースまでの工程を進めるのではなく、機能単位で工程を進めます。
1つの機能につき1〜4週間程度でリリースまで進められ、機能が少なければ開発期間は1週間と短いです。ただし、機能が1つだけのアプリは珍しいため、平均2〜3ヶ月かかると考えておきましょう。
ウォーターフォール開発
ウォーターフォール開発とは、要件定義から外部・内部設計、実装、テスト、リリースまでの工程を1つずつ確認しながら開発する手法です。1つの工程が終わってから次のスケジュールを立てていくため、大規模な開発であっても進捗状況が把握しやすいです。
1つずつ丁寧に完了させてから次の工程へ進めるので時間がかかり、開発期間に最低でも6ヶ月以上かかります。
AndroidとIOSの開発期間の違い
AndroidとIOSの開発期間の違いは、ストアにおける審査期間です。アプリ開発自体は終了していても、申請が承認されるまでの期間が異なります。
AndroidとIOSの審査期間は、それぞれ以下の通りです。
OS | 審査期間 |
---|---|
Android | 数時間〜数日 |
IOS | 数日〜数週間 |
ストアごとに審査される内容や基準が異なります。そのため、同じ内容のアプリであっても審査にかかる時間が異なり、リリースに影響を与える場合があります。
同時リリースを考えているのであれば、時間に余裕をもってアプリ開発のスケジュールを組みましょう。
アプリ開発の流れと工程別の期間
ここからはアプリ開発の工程別に期間を見ていきましょう。ここでは、上位工程から順番に進めていくウォーターフォール開発の場合の期間をご紹介します。
工程 | 期間 |
---|---|
企画 | 数週間〜数ヶ月 |
設計 | 数週間〜数ヶ月 |
開発 | 数ヶ月〜数年 |
テスト・点検 | 数日〜数週間大掛かりなものだと数ヶ月 |
アプリの審査 | Android:数日〜数日IOS:数日〜数週間 |
リリース | リリース日は設定可能 |
運用・メンテナンス | 成果物次第で異なる |
工程ごとに、実際に行う作業の概要を解説します。
企画
企画では、以下の内容を明確にします。
- アプリを開発する目的・目標
- ユーザーに体験してもらいたい内容
アプリを開発する際、何かしら期待する効果や達成したい目標、解決したい課題があるはずです。アプリ開発に携わる関係者同士でアプリを開発する意図を共有することで、完成イメージを具体化させます。
開発会社に依頼をするのであれば、企画段階で見積書や提案書を提示してもらいましょう。
企画がしっかりと定まらなければ、あとから変更が多発してしまって費用・期間に大きな影響を与えます。関係者同士での認識のずれが発生しないためにも、数週間〜数ヶ月の期間を想定しましょう。
設計
設計の工程では、アプリの完成形を明確にし、搭載する機能も設定していきます。ユーザーの使いやすさや視覚的な印象が決まるため、ユーザーの満足度を左右する重要な工程です。
大きく、見た目やデザインを決めていく基本設計(外部設計)と、機能・動作やシステム連携などを決める詳細設計(内部設計)の2つに分られます。とくに、詳細設計をもとにプログラミングをしていくため、詳細な部分を決めていかなければなりません。
それぞれに2週間〜1ヶ月程度かかるため、1ヶ月以上はかかると見込んでおきましょう。
開発
設計した内容をもとに、実際にアプリ開発を進めていきます。開発にかかる期間は数ヶ月〜数年と、作成物によって大きく変動します。
開発会社に依頼していると作業の進捗が見えづらいですが、随時進捗や成果物を見せてもらいましょう。なぜなら、菅生物のイメージとの相違があれば、すぐに修正が必要となるからです。すでに完成し次の作業に移っていた場合、修正に余分な時間がかかってしまいます。
テスト・点検
アプリができたら、仕様書にもとづいて動作確認のテスト・点検を行います。チェックする内容は、想定通りに機能するか、自動連動がうまくいっているかなどです。バグやエラーが発見されると修正・改善のためのプログラミングを行います。
実際にはすべての開発が終わってからテストするのではなく、一部のプログラミングが終わるたびにテストを行うことが一般的です。期間に表すと数日〜数週間程度ですが、大掛かりなものだと数ヶ月かかる場合もあります。
アプリの審査
テストが終わったアプリは、ストアで審査を受けます。審査にかかる期間は、OSごとに異なります。
OS | 審査期間 |
---|---|
android | 数時間〜数日 |
IOS | 数日〜数週間 |
また、審査内容や基準はストアごとに異なるため、詳しく確認しましょう。
androidの審査
androidの審査には数時間〜数日、最大で7日程度かかります。androidアプリの審査では、以下の項目を中心に確認されます。
- コンテンツ内容
- 機能性
- 知的財産権
- 収益化と広告
- 虚偽・悪意がないか
詳しい審査基準は、 デベロッパーポリシー に記載があるため確認しましょう。
IOSの審査
IOSの審査には数日〜数週間かかります。IOSアプリの審査では、以下の項目を中心に確認されます。
- 安全性
- デザイン
- パフォーマンス
- ビジネスモデル
- 法的事項
詳しい審査基準は、 App Store Reviewのガイドライン に記載があるため確認しましょう。
リリース
ストアの審査が終わると、リリースできる状態になります。androidでもIOSでも、リリースの日時を指定できます。ただし、AppStoreでは、審査が通ったあとの「availabilitu date(使用可能日)」の設定日以降でなければアプリは掲載されません。
リリース時には広告活動を行い、より多くのユーザーにダウンロードしてもらう工夫が必要です。
運用・メンテナンス
リリース後は、運用・メンテナンスの期間です。バグやエラーが発生すると、ユーザーの満足度を下げる原因になるため、成果物によってはすぐにメンテナンスが必要となる場合もあります。
また、定期的なメンテナンスやOSのバージョン更新に合わせたアプリのアップデートも必要です。
開発会社にアプリ開発を依頼する場合、運用・メンテナンスも依頼できるのかどうかをあらかじめ確認しておくと安心です。
開発期間が遅延する事例
開発期間が想定よりも遅延するケースは少なくありません。ここでは、開発期間が遅延する事例を6つご紹介します。
- 要件定義に時間がかかった
- デザインがフィックスしない
- 機能追加・機能削除
- 想定したものとの違いが出た
- アプリ審査が長引いた
- 専門知識に乏しく意思決定や確認で遅れる
順番に確認し、できるだけ想定通りの期間でアプリ開発が進むよう努力しましょう。
要件定義に時間がかかった
要件定義に時間をかけすぎると、次の作業に進めなかったという事例は多々あります。
要件定義とは、アプリの目的や搭載する機能、ユーザーニーズなど、アプリに必要な要素を1つずつ定めていくことです。要件定義ができないと自社と開発会社、開発するグループなどで完成イメージが共有できず、方向性が定まりません。
たしかに要件定義は重要な工程ではあるものの、要件定義に時間をかけすぎても開発中に仕様変更となる場面はたくさんあります。細かく定めすぎず、優先順位の高いものから大枠を決めて効率良く進めましょう。
デザインがフィックスしない
なかなかデザインがフィックスしないことで、工程がどんどん遅れてしまった事例もあります。
デザインはユーザーの印象を大きく左右し、顧客満足度に影響を与える要素です。そのため、「こだわったデザインにしたい」「オリジナリティのあるデザインを追求したい」という気持ちが先走るケースもあるでしょう。
しかし、デザインは人の好みで「良い」「悪い」が判断されやすい要素でもあります。1人が気に入らないからといってデザインをやり直していては、時間がいくらあっても足りません。あくまでもユーザーの年齢層や性別、属性などが心地よく感じるデザインを目指すべきです。
また、デザインについて修正を求めるのであれば、目的と方法をあわせて指示しましょう。「ここを赤くして」と伝えるのではなく、「思わず押したくなるように赤色に変更してほしい」と伝えることで、より目的に寄り添った修正をしてもらえます。
機能追加・機能削除
開発途中で機能追加や機能削除が出てくるとスケジュールに大幅な遅延が発生します。
企画・設計段階では出ていなかった機能を追加で開発しなければならなかったり、すでに実装した機能を削除しなければならなかったりすると、プログラミングをし直さなければなりません。
曖昧な状態で開発をスタートさせてしまうと、途中で機能追加・機能削除をする必要が出てきます。仕様変更の発生のリスクが極力ない状態で開発をスタートさせましょう。
想定したものとの違いが出た
発注元と開発会社との間での想定が異なると、完成イメージにズレがでてきてしまいます。大きな修正が必要となり、大きなスケジュール変更が必要です。
企画や要件定義の打ち合わせにおいて、意見のすり合わせがうまくいっていないと、完成してから「想定していたものと違う」と不満が噴出する場合があります。一度決定したことが覆らないよう、しっかりとコンセンサスをとりながらプロジェクトを進めていきましょう。
アプリ審査が長引いた
アプリの審査が長引くと、想定していたリリース日に間に合わない場合もあります。
開発したアプリをユーザーに届けるには、AppStoreやGoogle Play Storeなどのアプリストアの審査に通らなければなりません。審査結果によっては、アプリ内容の変更や機能搭載のし直しが必要となり、大幅に期間が長引いてしまいます。
専門知識に乏しく意思決定や確認で遅れる
ITやアプリ開発の専門知識に乏しいと、開発会社との意思疎通においてズレが生じ、意思決定や確認において遅れが出やすいです。メールや電話、打ち合わせにおいてもコミュニケーションがスムーズに進まず、情報共有がうまくできません。
作業1つ1つが円滑に進まないため、スケジュールが全体的に遅れやすくなってしまいます。
アプリ開発の期間が長引かせない7つの方法
アプリ開発期間を長引かせないためには、以下の7つの方法を実践しましょう。
- スケジュールを短くし過ぎない
- 要件定義の精度を上げる
- デザイン・機能は事前にしっかり決めておく
- 進捗共有は細かに行う
- 意思決定のスピードを速める
- 信頼できる開発会社を選ぶ
- 仮説検証・PoC開発段階から開発会社にコミットメントしてもらう
順番に確認し、想定通りにアプリ開発・リリースを行いましょう。
スケジュールを短くし過ぎない
スケジュールを短くし過ぎず、余裕を持ったスケジュールを設定しましょう。開発会社に依頼する際、相手も組織的に動くため、思い通りに物事の決定が進まない場合があります。
もちろん、急いでリリースしたい気持ちはあるものの、両者でよく話し合って打ち合わせの頻度を定め、スケジュールを決めていきましょう。万が一、遅れが生じた際の対処法も考えておくと、リスクヘッジとなります。
要件定義の精度を上げる
要件定義の精度を向上させることで、アプリ開発の生産性を高め、スケジュール通りに開発を進められます。要件定義においてズレがあると、設計・開発・デザインなどさまざまな部分で影響が出てきてしまいます。
要件定義の精度を上げるためには、実装すべき重要な機能やコア機能などを明確にして機能に優先順位をつけましょう。優先順位をつけておけば、開発の流れが決めやすくなります。予定通りに進まなくてもリリース後に機能を追加するなどの対応ができ、納期遅れのリスクを軽減できます。
デザイン・機能は事前にしっかり決めておく
あとから大幅な修正が必要とならないよう、デザインや機能をしっかりと決めておきましょう。開発が始まってから「やっぱりこの機能はいらない」「デザインを変えてほしい」と要望を出すと、1から開発をし直さなければなりません。
要件定義をもとにデザイン・機能を事前に定め、両者で認識のズレが生じない形で合意をとりましょう。曖昧な表現をせずに明確に文書や図などを使って誰が見てもわかるように情報共有しておくと、開発後に「イメージと違う」といったトラブルも防げます。
進捗共有は細かに行う
細かな進捗共有は、開発期間を長引かせないために重要なポイントです。進捗確認では単純に進捗状況を見るのではなく、問題の早期発見につながります。たとえば必要な機能が漏れていたり、想定している動きと異なる動作があったりすると、すぐに修正を依頼できます。
開発期間は開発会社に丸投げするのでなく、定期的にミーティングの実施や報告書送付を依頼しましょう。
意思決定のスピードを速める
意思決定1つ1つに時間をかけていると、開発が長期化してしまいやすいです。
アプリ開発において、発注側はさまざまな場面で意思決定が求められます。たとえば、「デザインはこれで良いか」「ユーザーの操作の流れは問題ないか」など、判断が求められたときに素早くレスポンスできるよう、ある程度の専門知識が必要です。
開発会社に依頼するにしても、社内にITやアプリの専門知識を兼ね備えた人材をアプリ開発担当者として配置し、意思決定のスピードをはやめましょう。
信頼できる開発会社を選ぶ
信頼できる開発会社に依頼することも大切です。実績や経験のある、技術力が確かな開発会社を選べば、トラブルを避けられます。
そのため、開発会社を選ぶ際は、Webサイトやポートフォリををよく確認し、自社が求めるアプリに近いアプリの制作実績があるかどうかを見極めましょう。
また、リリース後の運用・メンテナンスまでフォローしてくれる会社であれば、安心です。アプリ開発の期間ですべての開発が終わるわけではないため、リリース後の改善や修正は欠かせません。
開発会社の運用体制やサポート内容をよく確認して、開発会社を選定しましょう。
仮説検証・PoC開発段階から開発会社にコミットメントしてもらう
アプリの開発前に行う、仮説検証やPoC(Proof of Concept)の段階から開発会社にコミットメントしてもらい、コスト・工数の効率化を計りましょう図りましょう。
アプリ開発を企業が行う際、何かしらの課題を解決するための手段であるはずです。たとえば、「店舗に行かなくてもユーザーが自社商品を購入できる」「お得情報を届けて顧客を囲い込む」などが挙げられます。
このような課題や目標が本当にアプリによって解決できるのかを仮説検証をしなければ、アプリをリリースしても課題解決や目標多圧政に結びつかない可能性があります。また、PoCを実施することでビジネスとして成功するかどうかを確認し、より成功の可能性を高めることが可能です。
仮説検証・PoCの段階から開発会社に介入してもらえれば、より少ない工数で効率的にアプリ開発を進められます。
まとめ
アプリ開発にかかる期間の目安は、4〜6ヶ月程度です。規模によっては1年〜3年と長い期間が必要な場合もあります。
どのようなアプリであっても、企画や設計を行い、それに基づいて開発されます。ストアでの審査が通らなければ、ユーザーにアプリを届けられません。
1つ1つの工程にかかる期間をできるだけ短くするためには、開発会社との密なコミュニケーションが必要です。自社から要望を伝える際には必要な機能に優先順位をつけ、専門用語でもコミュニケーションが取れるレベルの知識を備えておきましょう。
また、トラブルを避けるためにも信頼できる開発会社に依頼することが重要です。Webサイトやポートフォリオを見て、依頼するアプリに近い分野に強い開発会社を選定しましょう。